登山をしていると時には急なアクシデントに巻き込まれてしまう事があります。
数あるアクシデントの中でも、突発的に訪れてしまうのが危険動物との遭遇です。
登山とは自然の中へ入って行く事であり、それは同時に危険動物達の住処へ足を踏み込む行為でもあります。
特に注意しなければいけない代表的な動物や虫でクマとハチがいます。
当記事では、そんな2大危険動物と遭遇しない為の事前対策と、もし遭遇してしまった時の対処方法を書いていきます。
抑えるべきポイント!!
- 代表的な危険動物 クマ、ハチ
- 事前対策の方法
- もしもの際の対処方法
当記事はこんな人にオススメ!!
- 登山をする全ての人
ツキノワグマ
日本にはツキノワグマ、ヒグマと2種類のクマが生息しています。
北海道ではヒグマが、本州ではツキノワグマが主に生息しており、長野県でもツキノワグマによる
被害が過去に数件発生しています。事前対策と万一の対処法をしっかり抑えておきましょう。
遭遇する確率は低いですが、ゼロではないこと。初心者レベルの登山コースでも遭遇することを覚えておいて下さい。
ツキノワグマの事前対策
クマへの事前対策を2つ紹介していこうと思います。
熊鈴などで音をだす。
先ずはクマと遭遇しないようにしなければなりません。
その為には、音を出してクマへこちらの存在を知らせて遠ざける必要があります。
代表的な音の出し方として熊鈴があります。多くの登山者がザック等に熊鈴を取り付けており
歩行する際に、鈴が揺れて音が鳴ります。
熊鈴がなければ、スマホ等でアラームや音楽を鳴らすのも効果的です。
音を聞いたクマは、近くに私達人間がいることを察知し、自ら距離をとろうと離れていきます。
ツキノワグマは肉食で稀に私達人間を食料として襲う時もありますが、実は植物食が主であり
ドングリといった木の実類が本来の食べ物なのです。ではなぜクマ達は私達人間を襲うのか?
主な理由としては
- 急な人間との遭遇に驚いて興奮している。
- 母グマが敵とみなし、子グマを守ろうとするため。
私達人間がクマを恐れているように、クマも私達人間を恐れているのです。
食べ物を捨てたりしない。
山に食べ残しや包み紙を捨てると、クマは敏感に臭いを感知し近づいてきます。
山頂でスープを飲んだり、カップラーメンを食べる人も多いと思いますが、残った汁等は責任を持って
必ず持ち帰るようにしましょう。
そもそも、山へゴミや飲食類の余りを捨てるのは最低限のルールでもあります。
ツキノワグマへの対処方法
もし運悪くクマと遭遇してしまった時の対処方法を2つ紹介していきます。
走って逃げない
クマには走っているものを追いかける習性があります。
突発なクマとの遭遇により緊張や焦りで走って逃げようとしてしまうかもしれませんが
落ち着いてクマに背を向けずに、ゆっくり後ずさりなが距離をとるのが最も良い避け方です。
死んだふりをしない
登山者でなくても、「クマと遭遇したら死んだふりをする」と聞いたことがある人は多いでしょうが
実際は全く効果はありません。
上記でも書いたように、クマは肉食よりも植物食の方がメインです。
しかし、クマには動物の死骸をエサとして食べる習性もあります。
死んだふりをしたら本当に死にます。
スズメバチ
ハチの中でも大型で攻撃性が最も強いとされているのがスズメバチです。
登山者への事故はクマよりも多く、酷い時は死に至ります。
スズメバチの活動が最も盛んなのは8〜9月の真夏期であり、9月中旬にもなると巣の中では
次の女王蜂が生まれる為、女王蜂を守ろうと他のスズメバチ達は巣の周辺に対しとても敏感になり
1番危険な時期となっています。
スズメバチの事前対策
スズメバチへの事前対策を2つ紹介していきます。
黒い服装は避けよう
ハチは黒色にとても敏感で襲いかかる習性があります。
- 天敵のクマが黒い毛で覆われているから。
- 目や頭等、動物の急所が黒いから。
仮説は幾つかありますが、具体的な理由は今でも謎のようです。
基本的に登山の服装は明るく目立つ色を選びましょう、これはハチ対策以外にも遭難や仲間と逸れた
際に直ぐ発見してもらうためでもあります。
匂いの強い香水や化粧品はつけないこと
ハチは匂いにも敏感です、なぜならハチは匂いで互いのコミュニケーションをとっているからです。
香水や化粧品のような甘い匂いが、ハチ達にとっては警戒フェロモンに感じ、戦闘体制に入ってしまいます。
スズメバチの対処方法
もしハチと遭遇してしまい、最悪刺されてしまった際の対処方法について説明していきます。
毒を吸い出す
何よりも体内に入った毒を出さなければなりません。
市販のポイズンリムーバー等の吸引器を使い、毒を少しでも体内から出しましょう。
もしポイズンリムーバーを所持していなかったら、指で患部を押して毒を絞り出せば少しは効果が出ます。
この時、口で毒を吸い出そうとはしないで下さい!!
口の粘膜から毒が侵入します。
刺された箇所を冷やし、ステロイド軟膏を塗る
氷や濡れタオルで患部を冷やすことで痛みを和らげ、体内の毒の回りを少し遅らせる事ができます。
そしてステロイド軟膏を塗りましょう、ステロイド外用薬は炎症を抑える効果があります。
まとめ
登山は楽しい反面、様々なトラブルにあうことは多大あります。
今回紹介した危険動物や虫の遭遇、他にも遭難や高山病、予期せぬトラブルは付き物です。
実際に私の友達が一人で浅間山へ行った際、遠方にいる野生のクマを目撃しています。
幸いクマが遠方にいた為、気付かれずにすんだようですが身近な友達からそんな話を聞くと他人事ではないですね。